2018年5月8日火曜日

初めてのおもちゃ屋さん



カリフォルニアの旅行中に入ったドラッグストアでポツンと一つだけ置いてあったこのフォルクスワーゲンバス。旅行中に一つおもちゃがあるといいかもと思って買ったらこれがポーの中で大ヒット。今ではポーにとって片時も放すことのできない存在となった。ちょっと悲しいことがあってもこのバスを手に取ればすぐに笑顔に戻れる、そのくらい大きな心のよりどころだ。

これまでコンクリートの地面に何度も投げられ、一度は近所のお兄ちゃんに誤って自転車で轢かれて、それでも壊れずに生き残ってきたこのワーゲンバス。5ドル足らずだったけど、作りは意外と頑丈なようだ。

あまりに好きすぎて、ポーは寝る時も手に握ったまま寝たがるのだが、隣で寝かせつけようとしている私は「ガチャガチャ」という音にイラっとするので、「バスと一緒に寝られないんだよ」と言い聞かせなければならない。すんなり手放してくれる時と、泣かれる時と日によって違う。

朝起きてすぐに発する言葉は"Bus!"

そこに数日前から新たな言葉が加わった。

"Fire Truck!"

ポーにとって初めての2語を組み合わせた言葉だ。soccor ballとかsun hatとか、アメリカではこの「2語を組み合わせて言える」というのが赤ちゃんの成長の目安の一つとして言われている。ポーの2語といえば「パパ バス」とか「おっぱい いっぱい」とか2語言葉のカテゴリーに入れてよいのか怪しいものばかりだったのだが、この"Fire Truck"なら自信を持って2語言葉と呼べそうだ。

それがちょっと嬉しかった私は、最近このワーゲンバスと似たようなサイズの消防車のおもちゃを買ってあげたくてしかたなくなった。

それで先日の土曜日、蘭の習い事が終わるのを待っている間に、スーパーのおもちゃコーナーを物色。救急車やスクールバスはあったのだが残念ながら消防車はなかった。もう少し足を伸ばして、おもちゃ屋さんへ行くことにした。

ポーはベビーカーに乗って、手にはいつものようにワーゲンバスを握っている。そろそろお昼寝の時間が近づいていてとても眠たそう。ポーにとっては初めてのおもちゃ屋さんだから反応が気になったが、中に入ってもぼーっとしたままで、よりどりみどりのおもちゃにも全く興味を示さない。これが3、4歳になるとそうはいかないんだろうなぁ。

お店の人におもちゃの車コーナーの場所を聞いて行くと、種類が思ったよりずっと少なく、ここでも消防車はなかった。

でも代わりに、ポーがお気に入りのトラックの本の中に出てくる郵便配達のトラックと、引越しトラックを見つけた。ポーに「どっちがいい?」と両方を見せたら、眠たそうな目が急に大きく開いて二つのトラックをガッと手に取った。その瞬間、ポーは今まで握っていたワーゲンのバスが手から落ちたのに気がついた。

「うわー!!!!」

と大声で泣き出した。バスを手から離したことがよっぽど悲しかったのだろう。私はすぐに売り物のトラックをポーの手から取ってバスを手に戻した。すると今度はそのトラックを取られたことで

「うわー!!!!」

とさらに大声で泣き出した。

これは私はどうすればいいのだろう。買わずにお店を出るのがいいのだろうか。

そういえば先週もプレイグループのメンバーのパパがある記事をシェアしてくれて、そこには「子供に与えるおもちゃは少ない方がよい」と書いてあったのを思い出した。おもちゃをたくさん与えられた子供のグループと、少ししか与えられていない子供のグループの集中力を比べたら、後者の方の集中力がずっと高かったという内容だった。

しかも本来は消防車を買いに来たのであって、なかったからと他のトラックを買うのは無駄遣いだ。

明らかに買わないべきだ。そうだ、そうだ。

と、思ったその次の瞬間に、私はレジで支払いをしていた。二つともお買い上げ〜😳我ながら意志が弱い。だってあんなに泣いてて可哀想だったんだもん!

お店を出て、ベビーカーの中のポーにトラックを渡した後も、バスと新しいトラック達の間で、ポーの感情の波が押し寄せるのがわかった。3つ全部手に持ちたいけど、手は2つしかない。一つはママが持っておいてあげるよ、といってもそれも嫌。二つ手に持って3つ目をお膝に置くのも嫌。

そうこうしている間にポーは眠りに落ちてしまった。眠い時は感情の波がより高波でやってくるから、ちょっと悪いことしちゃったな。

お昼寝の後はポーも落ち着いて、この3つのおもちゃでとても楽しく遊んでいた。結局私の衝動買いをポーに押し付けたようなものだな。だって、新しいトラックがなくても十分ハッピーだったから。大切に使っておくれよ、バスもトラックも。


1 件のコメント:

Snow さんのコメント...

わかる~🌠眠い時の子どものぐずりは親を戸惑わせるよね。特に出掛けた先だと。
 買うお金がないから、と「レジで戻してください。」と言ったことがあるな。子どもとはメーカーの違う商品のほうが安いから、と子どもが選んだのではない同じ商品をかごに入れて、レジまでけんかしながら行って。意外と買えずに戻すっていうほうがキョトンとしてくれてなんとかなったような(笑)時間をかけたらこどもにとって全く気になっていなかったんだ、とわかることもあるね。