2018年5月12日土曜日

テキサスの旅ーステーキを求めて三千里?ーパート1

ポートランドでは見たことのない亀に遭遇。

約ふた月前、テキサス 州に行く機会があった。デビ男のコンサートがいくつか入っていたためだ。同じ週に蘭は学校が春休みで、蘭と蘭ママはオレゴン州の東側にあるベンド市でバケーションへ。今回は初めて3人だけの旅となった。

皆さんはテキサスといえば何を思い浮かべるだろう?カウボーイ?去年までダルビッシュ選手が所属していたレンジャーズ?

私はあまりテキサスにこれといったイメージがわかず、特に「これがしたい!」というものはなかったのだが、日本人の友人に「美味しいステーキ食べてきてね!」と言われて、急にこの旅が楽しみになってきた。

アメリカのお肉はしわい−と言うのは方言か😅−固くて噛み切るのに何回も噛んで最後はごっくんと飲み込むイメージがある。多分テキサスのお肉もそうなのだろうが、それでも本場のテキサス牛というやつを一度食べてみたい!

テキサスで最初に訪れたのはダラス市。ケネディ大統領が暗殺されたことで有名。ダラスではデビ男の友達のうちに泊めてもらったのだが、ゲストルームがなくさんある豪邸だった。

その日は到着が夜10時を過ぎたので、晩御飯はメキシカンのファストフード店Taco Cabanaでブリトーを買った。テキサスはメキシコと隣り合わせというだけあって、メキシコ人の人口も多く、本場のメキシカンフードが食べられる。ファストフードといってもさすがに美味しかった!

翌朝起きて、デビ男はラジオの仕事が入っていたので、一人で出かけて行った。私はポーと一緒に近くを散策。3月だけど、テキサスはすでに蒸し暑い。最寄りのスターバックスを目指して歩いたのだが、50分かかって、汗だくになってしまった。ババシャツを着てくるんじゃなかった💦豪邸だらけの閑静な住宅街を歩いたのだが、50分間ですれ違った人は一人。みんな仕事にいって留守なのだろうか。ポートランドでは平日であろうが週末であろうがこんなに長い時間誰にもすれ違わないとはありえない。

朝食を済ませた後は、近くで見つけた公園に立ち寄った。




日差しの強いテキサスならではなのだろう、日よけカバーがしてあったのが助かった。ポーが目をこすり始めたので滞在しているうちに戻ることに。帰りの道中も全く誰ともすれ違わなかった。そしてすべての家でブラインドが閉めてあるのも気になった。テキサスはこうして、家の中が常に快適なようにエアコンを効かせて、強い日差しが入らないようにブラインドを閉めたままにするのが普通だそうだ。

うちに戻ると、家主のジョンさんがキッチンにいた。ダラスのことを色々教えてもらったついでに、美味しいステーキが食べられるレストランが近くにあるか聞いてみた。するとジョンさんは長年食事制限をしていてステーキのことはわからないと。奥さんのリズさんも、肉も乳製品も食べないビーガンでステーキとは無縁だそうだ。代わりに、新しいラーメン屋がオープンしてとても評判が良いとを勧められた😅しかも名前が「ラーメン博多」というからこれは行かないわけにはいかない。ということでその日の晩ご飯はラーメンになった🍜ステーキに特に興味のないデビ男は嬉しそうだった。





ここのラーメン、予想よりも美味しかった。シェフが受け取った「インターナショナルラーメンスクール」の修了証が壁に飾ってあるのを発見。横浜にそんな学校があることも私は知らなかった。ポートランドでも今ラーメン屋がどんどんオープンしている。この「ラーメン博多」のように、シェフが日本人じゃなくても美味しいところはたくさん。みんなこのラーメンスクールで修行したんだろうか。

翌日はデビ男のコンサート。時間がかなり遅くなるらしいので、私とポーは留守番することにした。徒歩で行けるレストランが周辺にないので、その夜はジョンさんが気を遣って手料理を振舞ってくれた。とても美味しかった。

ということで再びステーキはお預け。明日はウェイコ市へ出発だ。いよいよステーキ屋さんに巡り会えるかな?

続きはパート2で!

2018年5月8日火曜日

初めてのおもちゃ屋さん



カリフォルニアの旅行中に入ったドラッグストアでポツンと一つだけ置いてあったこのフォルクスワーゲンバス。旅行中に一つおもちゃがあるといいかもと思って買ったらこれがポーの中で大ヒット。今ではポーにとって片時も放すことのできない存在となった。ちょっと悲しいことがあってもこのバスを手に取ればすぐに笑顔に戻れる、そのくらい大きな心のよりどころだ。

これまでコンクリートの地面に何度も投げられ、一度は近所のお兄ちゃんに誤って自転車で轢かれて、それでも壊れずに生き残ってきたこのワーゲンバス。5ドル足らずだったけど、作りは意外と頑丈なようだ。

あまりに好きすぎて、ポーは寝る時も手に握ったまま寝たがるのだが、隣で寝かせつけようとしている私は「ガチャガチャ」という音にイラっとするので、「バスと一緒に寝られないんだよ」と言い聞かせなければならない。すんなり手放してくれる時と、泣かれる時と日によって違う。

朝起きてすぐに発する言葉は"Bus!"

そこに数日前から新たな言葉が加わった。

"Fire Truck!"

ポーにとって初めての2語を組み合わせた言葉だ。soccor ballとかsun hatとか、アメリカではこの「2語を組み合わせて言える」というのが赤ちゃんの成長の目安の一つとして言われている。ポーの2語といえば「パパ バス」とか「おっぱい いっぱい」とか2語言葉のカテゴリーに入れてよいのか怪しいものばかりだったのだが、この"Fire Truck"なら自信を持って2語言葉と呼べそうだ。

それがちょっと嬉しかった私は、最近このワーゲンバスと似たようなサイズの消防車のおもちゃを買ってあげたくてしかたなくなった。

それで先日の土曜日、蘭の習い事が終わるのを待っている間に、スーパーのおもちゃコーナーを物色。救急車やスクールバスはあったのだが残念ながら消防車はなかった。もう少し足を伸ばして、おもちゃ屋さんへ行くことにした。

ポーはベビーカーに乗って、手にはいつものようにワーゲンバスを握っている。そろそろお昼寝の時間が近づいていてとても眠たそう。ポーにとっては初めてのおもちゃ屋さんだから反応が気になったが、中に入ってもぼーっとしたままで、よりどりみどりのおもちゃにも全く興味を示さない。これが3、4歳になるとそうはいかないんだろうなぁ。

お店の人におもちゃの車コーナーの場所を聞いて行くと、種類が思ったよりずっと少なく、ここでも消防車はなかった。

でも代わりに、ポーがお気に入りのトラックの本の中に出てくる郵便配達のトラックと、引越しトラックを見つけた。ポーに「どっちがいい?」と両方を見せたら、眠たそうな目が急に大きく開いて二つのトラックをガッと手に取った。その瞬間、ポーは今まで握っていたワーゲンのバスが手から落ちたのに気がついた。

「うわー!!!!」

と大声で泣き出した。バスを手から離したことがよっぽど悲しかったのだろう。私はすぐに売り物のトラックをポーの手から取ってバスを手に戻した。すると今度はそのトラックを取られたことで

「うわー!!!!」

とさらに大声で泣き出した。

これは私はどうすればいいのだろう。買わずにお店を出るのがいいのだろうか。

そういえば先週もプレイグループのメンバーのパパがある記事をシェアしてくれて、そこには「子供に与えるおもちゃは少ない方がよい」と書いてあったのを思い出した。おもちゃをたくさん与えられた子供のグループと、少ししか与えられていない子供のグループの集中力を比べたら、後者の方の集中力がずっと高かったという内容だった。

しかも本来は消防車を買いに来たのであって、なかったからと他のトラックを買うのは無駄遣いだ。

明らかに買わないべきだ。そうだ、そうだ。

と、思ったその次の瞬間に、私はレジで支払いをしていた。二つともお買い上げ〜😳我ながら意志が弱い。だってあんなに泣いてて可哀想だったんだもん!

お店を出て、ベビーカーの中のポーにトラックを渡した後も、バスと新しいトラック達の間で、ポーの感情の波が押し寄せるのがわかった。3つ全部手に持ちたいけど、手は2つしかない。一つはママが持っておいてあげるよ、といってもそれも嫌。二つ手に持って3つ目をお膝に置くのも嫌。

そうこうしている間にポーは眠りに落ちてしまった。眠い時は感情の波がより高波でやってくるから、ちょっと悪いことしちゃったな。

お昼寝の後はポーも落ち着いて、この3つのおもちゃでとても楽しく遊んでいた。結局私の衝動買いをポーに押し付けたようなものだな。だって、新しいトラックがなくても十分ハッピーだったから。大切に使っておくれよ、バスもトラックも。


2018年4月27日金曜日

引く手数多の大坂なおみ選手

3月にカリフォルニアであったバリパオープンで華やかな優勝を飾った大坂なおみ選手は、アメリカのテニスファンの間でも一躍有名になった。その直後のマイアミオープンでは、彼女の憧れの存在だったセリーナ・ウィリアムズを倒す快挙。セリーナは産休明けだったとは言え、女王を倒した事で大坂選手の強さを誰も否定できなくなった。

日本でも話題になっていたが、彼女の魅力は試合後のインタビューでのちょっとトボけた感じの受け答え。私にとっては娘でもおかしくない20歳という年齢の大坂選手は、いかにも今時の若者という感じで、使う表現もカジュアルで親しみやすい。

そんなちょっと天然ぽい印象が強い大坂選手なのだが、インタビュー記事を読むと違う側面も見えてくる。

彼女はお父さんがハイチ生まれ、お母さんが日本人のいわゆるハーフ。3歳でアメリカに渡ってから、お父さんの指導で一つ上の姉と一緒にずっとテニスをしてきたそうだ。

「将来のウィリアムズ姉妹だね!」と道行く人から言われていたそう。その通り、姉のまりもプロテニス選手だ。


2017年12月26日朝日新聞のインタビュー記事にはこうある。


「日本選手と対戦すると、これまではみんなが相手を応援したけど、今回は私も日本人として見てくれるのが分かった」。

これは2017年のジャパンオープン後の発言。この頃には日本で知名度が上がっていた大坂選手だが、それ以前は、日本で日本人選手と対戦して、相手の方が声援が多いと感じていた時期もあったのだろう。日本語が苦手なことも、コンプレックスとしてあっただろう。

「シャイな性格を案じてのことか、異文化に早くなじんでほしいとの配慮か、学校からは、家庭でも日本語を話さないよう指導された。」

移民がアメリカの学校に通い始めて、母国の言語を忘れてしまうことはよくある。大坂選手もそのせいで日本語をどんどん忘れて行ってしまったそうで、とても残念だ。

3歳から育ったアメリカでの経験を次のようにも話している。

「このルックスなので、アメリカでも目立つ存在だったと思う。小さい時は勝ち進んでも、それほどたくさんの人に応援されなかった」。

ということは日本でもアメリカでも、ハーフならではの苦悩があったというわけだ。

この大坂選手について、大坂選手がランキングを42位まで上げた16年に書かれた記事を見つけた(https://www.splicetoday.com/politics-and-media/japanese-tennis-star-naomi-osaka-doesn-t-speak-japanese)。この記事のライターは、大坂選手が日米で「日本人」と認識されていることに強く疑問を呈している。その背景は、彼女が日本語がほぼ話せず、育ったのは日本ではなくアメリカであるいう理由を上げている。そして日本では黒人に対して深刻な人種差別があるにもかかわらず、日本メディアは大坂選手が強くなったとたんに彼女が「日本人」であることを強調し、アメリカメディアもそれをすんなり受け入れていると、日米のメディアを批判している。そして最後には、彼女がここまで強くなれたのはアメリカでトレーニングを受けたおかげなのだから、それを認識してもよいのでは、とも書いている。

このライターの言いたい事もわかる。ただ彼女は日本人であり、アメリカ人であるとともに、ハイチ人でもある。彼女はお父さんの故郷ハイチからの声援もたくさん受けていて、ハイチでの知名度は抜群だ。2017年には初めてハイチを訪れ、ハイチの子供達と交流している。

大坂なおみ選手のインスタグラムより。お父さんが20年前に建てた学校だそうだ。
もし、2020年のオリンピックで、彼女がもしハイチに強いアイデンティティーを感じ、ハイチ人としての国籍を選んだとしてもおかしくない。おそらく、今なおみ選手は、国籍の選択で日米双方からプレッシャーを感じているかもしれない。ハイチという選択は、ベストだと私は本気で思う。もちろん、日本を選んでくれたら一番嬉しいけれど。


2018年4月25日水曜日

ツアー開始はドラマだらけ

ついにこの日がやってきてしまった。

デビ男のヨーロッパ出発。 前回の大きなツアーから4ヶ月以上ほぼうちにいたデビ男。うちで仕事しているとはいえ、次のツアーのオーガナイズや、作曲や練習など、時間的にフレキシブルなので、ポーにとってはだいたい親が両方うちにいて、少なくともどちらかが遊び相手になってくれるという、VIP(Very Important Person)ならぬVIB(Very Important Baby)待遇の4ヶ月だったわけだ。

それも本日をもっておしまい💀これから7月のデビ男帰宅までは庶民待遇に格下げだ⬇️

3人で空港に着くと、チェックインの後ランチを一緒に食べて、デビ男がセキュリティに向かわなければならない時間まで少し余裕があったので、ポーはパパに肩車をしてもらって一緒に遊んでいた。

私はトイレに行ったときに、出発を待つ飛行機が何機も並ぶ景色が窓越しによく見える穴場スポットを偶然見つけた。「いいスポットがあるよ!」とデビ男とポーを連れてきた。案の定、ポーは窓にかじりついて飛行機や他の車両が動く様子を見始めた。周りには人がいなくて、授乳にも最適な場所だ。しかもここは空港の両サイドのターミナル間をつなぐ通路の目の前にあり、セキュリティを通過した人がターミナル間を歩いて移動している姿も見える。


「じゃ、セキュリティの列が短くてすぐに通過できたら、ここに戻って来るのでまた窓越しに会おう」

と言って、デビ男とお別れした。ポーも「バイ」と言った。

と、事件はここから。

飛行機を見ながらポーが目をこすっているので、こりゃ帰りの車の中で寝るなぁ、と考えた私は、オムツ替えをしなくちゃと思いついた。でも、飛行機を見ていたいポーが嫌がったので、この場で立たせたままでささっと替えることに。これが失敗だった。ちょっと雑に服を脱がせていると、ポーがバランスを崩して前につんのめってしまった。

ゴンと音がすると同時に「ぎゃー!!」と大声でポーが泣き出した。顔を見ると口から血を流している。しかも鼻からも血が出てきた。顔を打ってしまったらしい。

どうしよう、止血しなくちゃ。おしりふきを使って止血しようとするが、一枚では無理で、2枚目3枚目も血で真っ赤になってしまった。

パッと顔を上げると、デビ男が笑顔で手を振りながら窓の向こう側から近づいてきた。

ゲっ!こんな日に限って、セキュリティがびっくりするほどスムーズだったようだ。

近づいてやっと、ポーの流血事態に気づいたようで、デビ男の表情が変わった。防音の窓だからかお互いの声は全く聞こえないので、私は手振り身振りで何が起こったのか説明した。

血が止まってので授乳を始めると、ポーはすぐに眠りに落ちてしまった。

その姿を見ていたデビ男が窓ごしからテキストメッセージを送ってきた。

「もう搭乗時間だから行くね。」

可哀想なデビ男。血まみれになった息子が目の前にいるのに、抱きしめることができない。

私もちょっと途方に暮れて、立ち上がる気力が起きないので、ポーが起きるまでは空港に居残ることにした。

はー。やっぱり面倒臭がるとろくな事ないな。ポーに可哀想なことをしてしまった。

腕の中でスヤスヤ寝ているポーの顔を見ると、上唇がかなり腫れている。口の中を切ってしまったようだ。

20分くらいして、またデビ男が窓越しに登場したのでびっくりした。飛行機の出発が遅れているようだ。

結局、窓を間に挟んで、デビ男と1時間近く一緒にいた。声は聞こえないけど。



デビ男の飛行機が今度こそ出発するというので、またサヨナラを言って間もなく、ポーが目を覚ました。

お昼寝のおかげで機嫌はすっかりいいのだが、上唇は痛々しい。1時間前よりも更に腫れた気がする。本人も違和感があるようで、口を一生懸命すぼめている。

予定外に空港に長居をしたので、蘭の学校に空港から直行することにした。蘭の学校の横には滑り台などの遊具があるので、早めに着いた時はポーはそこで遊んで時間を潰すことができる。

蘭もポーの顔を見るとびっくしていた。「どうしたの〜?」

うちに帰ると、デビ男からテキストメッセージが入っていて、「今日はサンフランシスコに滞在する」とのこと。え?アムステルダム行きはどうなった?実は、ポートランドで乗った飛行機が搭乗後も更に出発が遅れて、結局サンフランシスコで乗る予定だったアムステルダム行きの乗り継ぎ便に乗れなかったらしい。

というわけでトラブル続きの1日だった。ちょっと幸先は悪かったけど、どうかツアーが成功しますように!そしてポーの怪我が1日も早く治りますように!




2018年4月5日木曜日

ホームレスドライバー

2週間ほど家族旅行に出かけ投稿がかなり久しぶりになってしまった。

行き先はカリフォルニアとテキサス。デビ男のコンサートがいくつか入っていたので、仕事とバケーションを兼ねての旅行となった。

まず初日は空港までタクシーで。ポートランドのタクシードライバーはだいたいいつも愛想が良くて親切。スーツケースなどの荷物も率先して出し入れしてくれる。今回のドライバーも気さくな人で、タクシーにポーのチャイルドシートを設置するのも手伝ってくれてすべてがスムーズに行った。

助手席に座ったデビ男との会話を聞いて、タクシー業界が最近かなりシビアになっているのがよく伝わった。原因はUber人気だ。Uberとは宇部に住んでいる人の総称。ではなくて、自家用車をタクシー代わりにして人々を送迎するシステムで、アメリカで2009年に経営が開始してから瞬く間に全米に浸透し、今では世界でも広がりを見せている。読み方はウーバー。日本でも名前を聞いたことがある人はいるだろう。Uberのアプリをスマホにダウンロードしておけば、簡単にリクエストして、タクシーより安価で目的地へ運転してもらえる。例えば、我が家から空港までだいたいタクシーで50ドルくらいなのだが、Uberだと半分で済む。運賃や到着時間もスマホに表示されるので、目的地に着くまでハラハラせずに済むし、ぼったくりの心配もない。また運転する側にとっても、自分の車で空いた時間に誰かを送迎することでちょっとしたお小遣いを稼げるという利点がある。

ただこれはタクシー業界にとっては大きな痛手となり、反発を呼んでいる。2月にはニューヨークのタクシードライバーがマンハッタン 市役所の前で自殺したというニュースを聞いた。彼はタクシードライバーとして生活するために週に100時間勤務しなければならなかったそうだ。

ポートランドのような若者が多い街では特にUberは大人気だ。我が家はまだUberを利用したことないのだが、こうした背景を理由にデビ男はUberはこれからも絶対に使わないと言っている。Uberのことを初めて聞いたときは、デビ男もツアーがないときにこれでお小遣い稼ぎをしようかな、と真面目に話していて、私もなんていい案なんだ✨と思っていたが、どうやらおじゃんになったらしい。

と、カリフォルニア&テキサス旅行を終えて(旅行の話はまた別の投稿で)、今度は空港からタクシーで我が家に帰るときの話。

空港から出て、タクシー乗り場へと移動すると、タクシーを待っている人ではなくタクシーが長蛇の列を成していた。タクシーに乗ろうとする人は私たち以外には見当たらない。普通サイズのタクシーか、それともバンのようなタクシーどちらがいいかと質問して誘導する空港の職員もいたが、相当暇なのだろう。最初にたどり着いたデビ男の顔を見てニコニコだった。一歩遅れて到着した私は別の客だと思ったのか、私にも「普通タクシーですかバンですか?」と聞いてきたので、「あの人と一緒に乗ります」と答えたら、いかにも残念という顔をされた。

で、誘導されたタクシーは当然列の先頭のタクシーなのだが、一目で私は「乗りたくない!」と思った。

最近のタクシーはみんな綺麗でいい車がほとんどなのだが、私たちが割り当てられたタクシーに限ってポンコツ車。出てきたドライバーはタバコ臭く、髪はボサボサ、身なりもかなり汚い。その後ろのタクシーはプリウス。その後ろも。どれも綺麗なタクシーばかり。なんでよりによって私たちはこれなんだよ。

シートベルトのバックルが見当たらず、私がチャイルドシートの設置に手間取っていると「バックルはシートの下に隠れているよ」、といって運ちゃんがシートを引っ張ったらシートが丸ごと外れたのでびっくりした。バックルは確かに隠れていた。しかし大丈夫かよ、ほんとに。

見ると車内もぐちゃぐちゃ。ゴミが散乱しているし、なぜかダンボール 紙がたくさんある。

助手席のデビ男が目的地を伝えると、「あまりポートランドに詳しくないんだよ」というので、デビ男が行き方を説明した。

走り出すと、デビ男が「この業界でなんとかやっている?」と聞いた。

「いや、とっても厳しいよ。なんせ自分はホームレスなんだ。」

つまり、このタクシー内で寝泊まりしているということか。ダンボールは寝るときに窓を遮光するためのなのだろう。

この運ちゃんは道中ずっとお喋りをしていた。元はレースカーのドライバーだったとか、自分は親に全く似ていなくて、産院で取り違えられたに違いないのでDNAテストをしたいとか、スピード違反取締りの警察が、長距離から低周波のレーザーを自分に当てようとしたとか。かなり変わっているけど、フレンドリーさは伝わってきた。

私はとにかく無事故で我が家に着いてくれればそれでよいとそれだけ願っていた。

運賃もどういうシステムなのかいつもより10ドルくらい高かったが、無事だったからよしとしよう。荷物の出し入れも手伝ってくれたし。"I hope I'll see you guys again!"と言ってその運ちゃんはご機嫌で去っていった。次のお客もさぞ度肝を抜かれることだろう。

それにしてもポートランドに住んでいると、予期せぬ出来事があるものだ。





2018年3月14日水曜日

"Enough is Enough!"

今日は、フロリダの高校で起こった銃の悲劇からちょうど一ヶ月。アメリカ全体で銃規制を求める行進が呼びかけられた。

蘭は2週間前にくらい前に学校から帰ってきて、この日に蘭の学校も周辺を皆んなで行進することを教えてくれた。

フロリダの高校で17人の命が奪われた日から、その影響は蘭の学校にも出てきた。学校で避難訓練が始まったのだ。といっても、教室に鍵をかけて、教室の隅に移動する、というシンプルなもの。実践的というよりは象徴的な訓練と言える。もし実際に銃を持った人が侵入したら、子供達と先生にできることは限られている。本当に必要なのは訓練ではなくて銃規制だというのは、子供達もよくわかっている。

そんな環境で子供達が学校に通わなければならない国のリーダーは、学校の先生も銃で武装するべきだと提案している。

今日のポートランドは雲一つない快晴。すべての学区の子供達が外に出て、祈り、行進をした。近くのリンカーン高校では、生徒たちが勉強机を17個ほどをグランドに出した。各机に、亡くなった生徒の名前を貼って、花を手向けた。そして17分ほどの黙祷をした。

またサニーサイド小学校の生徒は、"Never Again!""Enough is Enough!""Am I Next?"といったスローガンを書いた手作りのプラカードを掲げて近所を練り歩いていた。

今日の主役は子供達。子供達が銃に「ノー」と言った日。政策を決める大人達は、それにどう答えるのか。






2018年3月1日木曜日

オーガニックワールド

ポートランドの人が好きな物。ヨガ。自転車。それからオーガニック食品。どこのスーパーに行ってもオーガニックのセクションがある。

野菜や果物だけではなくて、お肉も普通のものとオーガニックのものがある。お肉がオーガニックというのは牛肉なら牛が無農薬の草を食べている、ということになる。

生鮮食品に以外にも、パン、クッキー、コーヒー豆、クッキングオイル、チョコレート、ポテトチップス、恐らく口に入るものの大体はオーガニックのチョイスがある。

値段は、大体20〜30%くらいの割合でオーガニック製品の方が高い。あらゆるものをオーガニックにしていれば、癌になるリスクをより減らせることができて理想的なのかもしれないが、家計にかなり響くことになる。

EatingWellというウェブサイトによると、野菜や果物には、農薬を吸収しやすく、無農薬のものを選んだ方がいいものと、農薬を吸収しにくく、無農薬のものを選ぶ必要がそれほどないものがあるそうだ。

オーガニックのものを買う必要がない野菜果物として挙げられているのは

アボカド、とうもろこし、パイナップル、キャベツ、グリーンピース(冷凍)、玉ねぎ、アスパラガス、マンゴー、パパイヤ、キウィ、メロン、グレープフルーツ、カリフラワー。

皮が厚いものや、農薬を使わなくても育ちやすいものが該当するようだ。

逆に皮ごと食べるものや、農薬を吸収しやすいことから、オーガニックのものを買った方がよいとされるの野菜果物は、

いちご、りんご、桃、セロリ、ぶどう、さくらんぼ、ほうれんそう、トマト、パプリカ、ミニトマト、きゅうり。

なるほど、選択的にオーガニックのものを買えば、健康でいながら少し家計も抑えられるかもしれない。

食品以外にもオーガニックのものはある。歯磨き粉、日焼け止め、シャンプー、タオル・・・。健康志向のお金持ちの人ならとにかく何から何までオーガニックにするのかもしれない。

ポートランドにはそういう健康志向の人が行くスーパーマーケットが至る所にある。その一つは最近Amazonに買収されたWhole Foodsというお店。ボストンに住んでいた時に友達がWhole Foodsの薬局セクションで働いていた。ある日女性のお客が「オーガニックの妊娠検査薬ありますか?」と聞いてきたそうだ。オーガニックの生理用品はあるけど、さすがに妊娠検査薬はないだろう。尿をかけるだけなのに、どこをどうオーガニックにしたいんだろうね、と笑ったのを覚えている。

そのWhole Foodsが蘭の学校の近くにある。Amazonに買収されてから、全体的な値段が下がって前よりも敷居が低くなったので、最近時々立ち寄る。

デビ男はなるべく無農薬の物を選ぼうとする「ビンボーなのに健康志向」というやっかいなタイプなのだが、先日デビ男がそのWhole Foodsで買ってきた物を見て愕然とした。

オーガニックのパンツ!



生まれたての赤ちゃんの産着とかならオーガニックにするのもわかるが、50年も生きたおケツをオーガニックの布で包む必要あるの???

やっぱり変わった人だわ〜😵









2018年2月25日日曜日

150冊!

最近のポーは本が大好き。赤ちゃん向けのストーリー性がないものから、一ページの文章がまぁまぁ長いものまで、色んな本を読みたがる。英語の本も日本語の本も両方好き。

うちにある本だけでは飽きてきたので、最近はよく図書館に足を運ぶ。近所の図書館はそれほど大きくはないのだが、ポートランド市を含んだマルトノマ群の管轄内の図書館からならどの本でも借りられる。読んでみたい本をインターネットでリクエストしておけば、数日後に最寄りの図書館の棚に届いている仕組みだ。

今日はリクエストしておいた本を取りに行ったのと、ついでに図書館内の本も物色したら借りて帰りたい本がどんどん増えていった。そういえば何冊まで借りていいんだろう。近くにいた図書館司書さん(librarian)に聞いた。

"How many books can we borrow at a time?"

"One hundred fifty!"

ウソー!!!一度に150冊も借りていいの?

"I don't recommend it, though."

「お勧めはしないけどね😉」と司書さんが笑いながら言った。確かに、持って帰るの大変だわなー。

これは冗談ではなくて、マルトノマ群の図書館は一度に150冊までの本を借りて良くて、DVDなら30枚、CDも30枚まで一度に借りていいそうだ。期間は21日で、期限前までにまた21日間延長することができるが、もし誰かがそのアイテムをリクエストして待っている場合は延長できない仕組みになっている。返却もマルトノマ群の20箇所以上ある図書館のどのロケーションに返してもOKだ。

アメリカはなんでも「規格外」が大きいけど、図書館システムもそうか。でもそんなに一度に本を読める人いるのかな。
10ヶ月頃の写真。この頃は本を「読む」というよりは「食べ」ていた😅

2018年2月23日金曜日

コストコへようこそ!

前回は、年々アメリカ人化している自分についての投稿をしたが、今日もちょっとそれに関わるお話。

もし日本にいながらアメリカ人になった気分を味わいたいという人がいたら、ぜひ足を運んで欲しいところがある。日本に数年前にオープンした倉庫型のお店Costco(コストコ−アメリカでは「コスコ」と発音する)!ディズニーランドに行くよりももっとリアルなアメリカン体験ができると思う。会員制だが、会員の人と同伴なら非会員の人もゲストとして入れる。ちなみにアメリカでは個人の年会費は60ドル。日本では4,400円だそうだ。

我が家は2年前から4人家族になったものの、デビ男は年間で合計4ヶ月以上は留守だし、Costocoの会員になる利益はあまりなさそうだよね・・・と自分に言い聞かせていたのだが、あのちょっとクレイジーな量の買い物をしてみたい💓というミーハー心に負けて、ついに去年の夏に会員になってしまった😅ちょうどその頃、会員になったら20ドル分のお買い物券がもらえるキャンペーンをやっていて、まんまと釣られてしまったのだ🎣

店舗は文字通り倉庫という感じでとにかくデカイ。当然ながらだいたいの店舗は郊外にあって、我が家から最寄りのCostcoは車で25分。店内に入る時は、なんとなく胸がドキドキする。その点ではディズニーランドと似ているかもしれない。ちょっと深呼吸をしなければならない。一旦入ると、簡単には出てこれない。なんせ広いから、子連れなら迷子にならないよう細心の注意が必要だ。それから前もって買い物のリストを作ってそれに集中しておかないと、目移りするものがたくさんあり、最後には放心状態になってしまいかねない。特に初心者はどこに何があるかわからないので、時間的心理的に余裕を持っていないと、体調を崩す可能性もある。そのくらい圧倒される雰囲気がCostcoにはある、と私は思う。

店内には天井に届くほどの高さに物が積み上げてある。入ってすぐは、テレビなどの電化製品、ヒーターやマッサージチェアもある。安いのか高いのかわからないような値段が付いている。それから、洋服、ソファなどの家具、そしてさらに奥に進むとワインやビール、それから生鮮食品が続き、ベーカリーコーナーが続いて、日用雑貨、食品などがある。

一つの物を買うのにとても勇気がいる。前回行った時は美味しそうなデニッシュがベーカリーコーナーにあって、一個食べてみたかったのだが、ひとパックに8個入り。賞味期限は翌日。値段は7ドルちょっとで一個あたりの値段はお得なのだが、買ってご近所さんに分けるか、無理やり期限内に食べるか・・・結局買わなかった。

肉や魚についてもひとパックの量が多いので、自宅に大きな冷凍庫が必要となる。野菜や果物も結局腐らせてしまいかねないので、ちょっと安くても買うのに躊躇してしまう。

食料品や日用雑貨の全体的な値段設定は、なかなか安いなと思うものもあれば、そうでもないものが混ざった感じだ。中には近所のスーパーの方が安いというものもある。例えばオーガニックの卵24個入りが6ドルちょい。我が家がよく利用するTrader Joe'sでは12個入りが4ドルなので、それに比べるとお得なのだが、最近近くにオープンした別のスーパーでは3ドルなので、そちらには負けている。

トイレットペーパーはどうだろう。Costcoのトイレットペーパーは柔らかくて好きなのだが、なんせ6個入りx5パック(19ドル)で売ってあるので、収納に困る。前回トイレットペーパーを買って帰った時は、なんとかベランダにあるクローゼットにぎりぎり押し込めることができたが、デビ男がクローゼットを開けるたびに雪崩が起きていた。

ということで、びっくりするようなお得なものははっきり言って売っていないのだ。でもせっかく会員なのだから、せっかくはるばるやってきたのだから、という思いからかショッピングカートは瞬く間にいっぱいになってしまう。当然出費もすごい💸

もし、家族がサザエさんちくらいの大家族で、Costcoにひと月に一回以上行くのならお得なのかもしれない。我が家のようにふた月に一回行くか行かないかくらいだと、却って損をしている気がする。もっと賢くてやりくり上手な人は、Costcoを最大限に活用する方法を知っているのだろうけど。そこまではいいやー。




2018年2月21日水曜日

郷に入れば・・・?

アメリカ住まいがだんだん長くなり、時々自分がアメリカ人のように振る舞うのに気付くことが最近よくある。

例えばジェスチャー。なんとなく自分のジェスチャーがアメリカ人風になってきているような・・・😱アメリカ人がやるみたいに、答えに窮した時に肩をすくめる仕草(shrug)をしたり(それに加えて両手を広げたら益々アメリカ人ぽいがそれはさすがに私もまだしない)、「呆れた」という時に目を上に回すような仕草(roll your eyes)をしたり。それをしている自分に気付くのならまだよいが、これがだんだん気付かなくなって、しかも周りの日本人の友達もそれを見て見ぬ振りして指摘してくれなくなったらどうしよう。

他にも、最近ではこんなことがあった。グラスを食洗機に入れようとしたら食洗機の前にテニスのラケットバッグが置いてあって(といっても置いたのは自分なのだが)邪魔だった。そこで何気なく足でラケットバックを横にずらした。

初めてアメリカに旅行した時、空港で入国審査の順番を待つ時に、列が前に進むたびにアメリカ人の多くが床に置いたバッグを持ち上げずに足で動かすのが、ちょっとしたカルチャーショックだったのを覚えている。

大切なラケットが入っているバッグを足で動かすなんて、テニスの神様ごめんなさい!

それから、別の例をあげると先日スーパーでの出来事。ショッピングカートに乗せたポーがショッピング開始早々にぐずり始めた。あやしても効果なし。スナックも持ち合わせてない。

よし、アメリカ人のやり方でやっちゃお。

カートに入れていたブルーベリーの容器を開けて一つ食べさせた。お、機嫌がなおったぞ。そう、このブルーベリー、まだ支払いを済ませていない。子連れのアメリカ人はよく、買い物の途中にまだ未払いの商品の封を開けて子供に食べさせている。いや、子連れだけではない。大人もスナック菓子やペットボトルの封を開けているのも見かける。もちろん、後でちゃんと払うのだが。

いくらお腹が空いているとはいえ、なんと辛抱の弱い人達なんだ、と上から目線で思っていた頃から数年が経ち、私もついにその仲間入りをしてしまったー!!!

ブルーベリーをもっとくれとポーがうるさいので、レジに並んだ時にはブルーベリーの容器が空っぽになってしまっていた😨レジのおばちゃんは何も言わず空っぽの容器をピッとスキャンしてゴミ箱にポン。

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止められないアメリカナイズの例を挙げるとキリがないのだが、最後にもう一つだけ。昨日ふと気がついたのだが、私はポーの血液型を知らない。確か生まれた時に血液検査の結果に書いてあったような気がする・・・という程度。

アメリカ人は血液型の話をしない。自分の血液型を知っているアメリカ人に会ったのは今まで一度か二度あるかな、くらい。デビ男も蘭も自分の血液型を知らない。

だから、日本人が血液型占いや性格・相性判断を熱狂的に信仰している話をするとアメリカ人は大抵びっくりする。

私も本来は血液型の話が大好きなのだけど。我が子の血液型を知らずにのほほーんと過ごせているのに驚きだ。今度ポートランド在住の日本人ママ達に聞いてみよう、

「自分の子供の血液型知ってる?」

2018年2月8日木曜日

お知らせ

いつもこのブログを読んで下さってありがとうございます。

「コメントの仕方がわかりにくい!」という声をちらっと耳にしたので、ブログの表示を英語から日本語に変えてみました。コメントどんどんお待ちしています!

これからも宜しくお願いします😊

2018年2月6日火曜日

蘭のバースデー

1月末で12歳になった蘭。

お誕生日には仲良しの友達を呼んでパーティーとスリープオーバー(お泊まり)をするのがここ数年の恒例になっている。

でも今年はちょっと特別。蘭が通うアクロバティッククラスの会場Echo Theaterを借りてパーティーをすることになったのだ。

Echo Theaterには、空中パフォーマンス用のブランコ、シルクなど、アクロバティックの道具がよりどりみどり。蘭は週2回放課後ここに通っているのだが、子供だけでなく大人も数多くの人がクラスを取っている。

去年の11月に蘭のチームのショーがここであったときに、ショーの最後にやる抽選のくじを売っていて、デビ男が大盤振る舞いで20ドル分もくじを買った。「そんなに買うな〜😠」と私は内心思っていたのだが、なんとその結果、一等賞の「会場をプレイベートで使える券」が当たったのだ🎊

2時間で先生のレッスン付き。買えば350ドルということで、当たった時は会場から「おー!!!」と歓声があがった。

蘭の誕生日が近づいていたので、ここ蘭のバースデーパーティーをしよう!ということに即決したのだった。

パーティーをするにあたって、準備することは本当に色々。まずは誰を呼ぶか。蘭は、今の学校で仲良しになった3人の女の子、去年まで通っていたフレンチスクールで仲良しだった4人の女の子、そして同じアパートで仲良しのファミリーを呼ぶことにした。今年はとても特別な会場を使えるので私はもっとたくさんの友達(なんならクラス全員とか)を呼べばいいのに、と思ったのだが、蘭には蘭の考えがあったようで、このメンバーがいいと迷いなく選んだ。

私の仕事はまずゲストの親にメールで招待状を送って出欠の確認。それから食べ物の準備。

子供のパーティーなのであまり食べ物に気を使う必要はなかったのだが、一つ問題が。ゲストのうち3人の女の子が食物アレルギーがあるらしい。

まず一人は小麦アレルギー。別の二人は小麦、乳製品、卵、大豆。

パーティーにはカップケーキを用意するつもりでいた。小麦も乳製品も卵も入っていないケーキかぁ。聞くだけで美味しくなさそう・・・。

いやいや、そこを美味しく作るのが私の役目だ!

と気合を入れて、ネット検索。あるある、いろんなケーキのレシピが見つかった。

材料も周辺のスーパーで手に入りそうなものばかりだ。小麦の入っていないグルテンフリーの粉、バターの代わりにマーガリン、牛乳の代わりに豆乳、いや、大豆アレルギーの子もいるから豆乳ではなくアーモンドミルクで代用。

パーティーは土曜の午後4時からなのだが、その日の朝他の用事で忙しいので、ケーキを始めもろもろの準備はほぼ前日にやるつもりだった。

夜、ポーが寝た後ケーキを焼き始める。この材料で作るカップケーキは初めて。なんだか緊張するなぁ。カップケーキはパーティーの一番のメインだからどうしても失敗したくない。お店ではこのすべてのアレルギーのものが入っていないのはまず売っていないので、「いざとなれば買えばいいか」というオプションもなし。

焼けたケーキを試食してみたが、うーん、やはり味はいまいち。でも限定的な材料で作った割には合格の味とすることにした。

フロスティング(ケーキに塗るクリームのこと)も作りたいところだが、直前に塗ったほうが良さそうだったので、これは当日、ポーのお昼寝の時間にやることに。パーティーの直前にやることになるからちょっと怖いけど。

片付けをしているとすっかり遅くなってしまった。

明日に備えてしっかり寝たいところだが、緊張してなかなか寝られない。ケーキのフロスティングがまだ終わっていないのがどうしても気になる。

と、目がギラギラしているところに、ちょっと胸騒ぎがした。

明日パーティーに来る予定のEちゃん。フレンチスクールの一年生からの友達だ。彼女が何種類かの食物アレルギーがあるのは長い付き合いなので知っていた。

あれ?待てよ。今日、牛乳の代わりに使ったアーモンドミルク。確か、Eちゃんはナッツの中で唯一アーモンドがダメなんじゃなかったっけ?

や、やばい!

Eちゃんのママからの過去のメールを検索してみると、アレルギーのリストを書いたものがあった。

小麦
乳製品

大豆
アーモンド

げげげー!!!


やっぱりアーモンド、ダメだったんだ。なんでよりによってアーモンドミルクを使っちゃったんだ。ココナッツミルクとかにすればよかった。アホすぎる😭

いや、でもフロスティングをする前に気付いただけでもましかな。というより、Eちゃんが食べてしまうという事態が避けられただけでもラッキーと思わなければ・・・。

とポジティブに考えようとしたが無理だった。隣で呑気にいびきをかいているデビ男にイラ💢かなりブルーになりながら最終的に眠りに落ちた。

翌日の朝。10時から用事があるので、その前に急いでケーキの作り直し開始。

すると・・・Eちゃんのママからテキストメッセージが届いた。

「Eが熱を出してしまいました。うつすといけないからパーティーは欠席させます。楽しみにしていたのに、ごめんなさい😢」

Oh, my god!!!


Eちゃんには悪いけど、「よかった!!!」

ということで、この件は意外な形で解決。

午後は、この日に限って極端にお昼寝が短かったポーの相手を デビ男にしてもらってフロスティング作りをした。ホイップクリームの代わりに、ココナッツクリームを使用。クリームはなかなか美味しくできたのでよかった。これを昨晩作ったカップケーキに塗って出来上がり。

パーティー本番。みんな本当に楽しそう!先生も楽しい人で、蘭のお友達を手取り足取り教えてくれていた。そしてみんなマスターするのが早い!さすが、若いっていいな。ポーとお友達(同じく1歳)のA君までがブランコをさせてもらった。実はここは赤ちゃん用のアクロバティッククラスもあるのだ。あまりに二人が楽しそうなので、Aくんママと話して、近々赤ちゃんクラスを取ることに😊
ポーはブランコがお気に入り

デビ男までが挑戦



パーティーもクライマックスにさしかかり、いよいよ例のカップケーキの出番。蘭の友達のうち二人が

「私たちは食べられないね。」と話しているのが聞こえた。すると蘭が

「このケーキはみんな食べられるよ!」

「ほんとにー?!嬉しい!!!」

みんなの笑顔が見られて私も満足。そして「美味しい」と2個目を食べる子たち。ちょっとびっくりした。パーティーの雰囲気で美味しさが増したのに違いない😅

何はともあれ、無事にパーティーが終了してホッとしただった。

2018年1月18日木曜日

VIVA! 手作りお味噌

今日は日本人の友人Mちゃん宅で、お味噌作り!

昨年の今頃もMちゃん宅で日本人女子三人が集まってお味噌作りをした。きっかけは、三人のうちの一人Nちゃんの娘ちゃん(偶然にもポーと誕生日が1日違い)が大豆アレルギーということで、市販のお味噌で作ったお味噌汁は飲めないというのを聞き、それではひよこ豆でお味噌を手作りしようか、ということになったのだ。

私はお味噌作りは初めてだったので、お味噌作りの経験のあるMちゃんに作り方をずっと習いたいと思っていたのがやっと実現した。実際にお味噌の味を楽しめるのは1年後。その「1年後」が近づき、やっと家族にも自分のお味噌を味わってもらえる。

そして今また1年後に食べられる味噌を仕込む時期でもある。アメリカでお味噌作りというと大変なイメージがあったが、大豆やひよこ豆はどこのスーパーでも簡単に手に入る。問題は麹。去年は郊外にある宇和島屋という大型の日系スーパーマーケットで手に入れたのだが、今年はPeople's Co-opという、オーガニックの野菜などを売っている近所の小さなマーケットを覗いてみることに。大豆やひよこ豆が量り売りで売っていて、必要なだけ手に入るので便利だ。塩も量り売り。

さすがに麹まではないかなと思ったけど、お店の人にダメ元で聞いてみたら、あったあった。オーガニックの玄米の麹だそうだ。こちらも量り売りなのだが、今回のお味噌作りに必要な500グラムはだいたい20ドル。ちょっと高いけど、美味しいお味噌ができるかも。

お店の人とやりとりしていると、アメリカ人の年配の女性客から声をかけられた。

「あなた何を作るの?」

「お味噌です。」

「お味噌って自分で作れるの?私も作りたいわ。どうやって作るの?」

簡単に工程を説明した。

「それで、1年間熟成させるんです。」

WHAT?!?!  A YEAR?!?!


おばちゃん、お店中に響き渡るくらいの声で激しいリアクション😅

"Never mind.  I'm not patient enough."

「あたしゃそんなに辛抱強くありませーん。」

ということで、お味噌作りは速攻で諦めてしまったようだ。

確かに、作ったものを1年間も食べられないなんて、便利な世の中に慣れている現代人向けではない。あのおばちゃんのリアクションを見て、私もこの1年間よく待ったと自分で自分を褒めたくなった😁

さて、今年もMちゃん家のちょー素敵なアメリカンな雰囲気のキッチンで、お味噌作りはなかなか順調にできた。Mちゃんは去年、おうちを買ったばかり。アメリカの一軒家のキッチンは広々としていて、主婦のカリスマ、マーサ・スチュワートにでもなった気分😊去年から1年ぶりの味噌作りだけど、工程もおさらいできたし、これからは自分一人でもなんとか作れそうだ。



そしてその晩、約1年熟成させたひよこ豆のお味噌を出してきた。お味噌汁にしたらおー、甘みがあって美味〜。塩加減もよし!家族の反応よし!

1年後のこの気持ちを楽しみにして、またお味噌を作ろーっと。