2017年12月26日火曜日

家族写真がない!

今年も年賀状作りの季節がやってきた。

毎年毎年、取りかかる時期が少しずつ遅くなってきている。アメリカ人は年賀状ではなくクリスマスカードを送るの普通で、段取りが良い人からはだいたい12月15日〜24日の間に届いて、25日以降に届く人も少数ながらいる。

デビ男はクリスマスカードやらには全く興味無しなので、これはもっぱら私の仕事。去年も取り掛かりが遅く、アメリカ在住の人向けへもクリスマスを過ぎてしまったし、今年は年も明けてしまうかもしれない。

日本に年賀状を送るには、過去の経験からだと12月20日までに出せば、運がよければ元旦か遅くても3日には届く。それより遅いと、かなりずれ込む。もう今年は絶対にお正月には間に合わないので、旧暦のお正月に目標設定を変えた。

昔はカードは手作りしていたが、ポーが生まれてからは、インターネットで注文している。数ある中から好きなデザインを選んで、自分が使いたい写真をアップロードして、3〜5日後くらいに注文したカードが自宅に届く仕組みだ。

今年も同様にするつもりだったのだが、去年と違ったのはまず家族写真がない。一枚もない。ポーの写真はやたら多い。蘭とポーの写真はまぁまぁある。蘭とポーと私またはデビ男も何枚かあった。でも4人一緒のがない。

その原因は明らかで、お年頃の蘭ちゃんのせいだ。蘭はここ1年で写真をすごく嫌がるようになった。カメラを向ければすぐに逃げるか、隠れるか、変顔をするか。だから、内緒で素早く撮らなければならない。

例えば先日、デビ男のお母さんからのクリスマスプレゼントで、オレゴンバレエシアターに家族で「くるみ割り人形」を鑑賞に行った。東海岸に住むデビ男のお母さんはいつも写真を楽しみにしてくれているので、その日ちょっとお洒落をした家族みんなで写真を撮ろうとしたのだが、唯一撮れた写真でも蘭が舌をべーっと出していた。それでも構わずメールで送ったら、やはり

Is there any picture that she's not sticking her tongue out?

との返事だった😰この日は私も年賀状用の家族写真が撮れる最後のチャンスだと思っていたので残念。

ということで今年4人が揃った写真はこの2枚だけ。



両方とも(このブログにも何度か登場した)ミシェルがカナダからの帰りにフェリーで撮った写真。典型的な年賀状向けの家族写真ではないが、自然でいいかもしれない。というかこれしかないのだから仕方ない。上の写真は、ラブラブ夫婦の写真ではなく、デビ男が船酔いで気分が悪くなっている場面なのだが、なんとなく色合いが他の写真とマッチしていたのでこちらに決定。

来年は早めにとりかかるぞー!!!


2017年12月25日月曜日

我が家のクリスマス

クリスマスが近づくと、周辺ではプレゼントの話題がよく持ち上がる。日本ではクリスマスプレゼントの対象は子供がメイン。アメリカもそれは同じなのだが、アメリカではクリスマスに親戚一同が集まることも多く、そうした場合大人子供関係なく皆にプレゼントに揃えるのが習慣のようだ。

アメリカ人のクリスマスショッピングは、日本人が旅行に行った時のお土産の感覚はよく似ているなと思う。アメリカ人と話していると、「クリスマスショッピングを後回しにしすぎて最後慌ててヤケクソのまとめ買いをした」とか、「男性には何を買っていいかさっぱりわからないからいつも頭を悩ます」とか、「プレゼントを買うのが苦痛だからもうクリスマスに仮病を使おうかな」、とかネガティブな話の方が多い気がする。アメリカ人も義務感からプレゼントを買うのだな。

プレゼントの種類は本当に色んな物があるのだけど、よくアメリカ人はプレゼントの中に「ギフトレシート」というのを入れて、その人がプレゼントがなんらかの理由で気に入らなかった場合(例えば、サイズが合わなかったり、もうすでに持っている物と同じ物をもらった場合など)に同じお店で別の物と交換できるからだ。

クリスマスの日にプレゼントをみんなで開ける時は「わーステキ❤️」と喜んでおいて、翌日にはその品物が買われたお店に行って他の物と交換してもらうって、なんかちょっと失礼なような気もするのだが、そこはアメリカ人は気にしないようだ。実際、私は何年か前にクリスマスにデビ男のおばさんからかわいいパジャマをもらったのだが、若干サイズが小さすぎた。でもギフトレシートがあったおかげで、そのお店に行って自分のサイズのと交換してもらった。当然、そのパジャマの値段がわかってしまうのだが、そこもアメリカ人は気にしないのだろう。


我が家においては、今年のクリスマスはどこにも行かなかったので、家族だけの静かなクリスマス。子供達に東海岸と日本のおじいちゃんおばあちゃん達からの前もってプレゼントが届いていたので、蘭はクリスマスが楽しみで仕方がないようだった。

去年のクリスマスから蘭は「サンタはいないって知ってるよ」と言い始めたので、クリスマスプレゼントは本人からリクエストを聞くことにした。今年はポラロイドカメラが欲しいそうだ。ポーはこちらからリクエストを予測して、幼児が押すごっこ遊び用のベビーカーにすることにした。

蘭は12月に入ってからずっと暇さえあれば自分の部屋にこもって何か作っているようだった。秘密のプレゼントだから絶対に見たらダメと、かぐや姫のように私たちを入室禁止にしていた。

去年(2016年)のクリスマスは、蘭のママのうちでクリスマスイブに一緒にクリスマスディナーを食べて、プレゼントはディナーの後で一緒に開けた。日本でもアメリカでも、プレゼントはクリスマス(25日)の朝開けるのが慣例だが、ヨーロッパではクリスマスイブの夜、ディナーの後に開けるのが普通らしい(ヨーロッパでもイギリスでは最近アメリカ風に25日の朝プレゼントを開封する家族が主流らしい。ハリウッド映画の影響だ。)。蘭のママはスイス生まれのフランス人なので、いつもクリスマスはイブがメインで育ったそうだ。



蘭がまだ5歳くらいの時に、このヨーロッパ風のクリスマスを蘭のママのうちで一緒にしたことがある。まずディナーの後、私が蘭に本を読んであげるとベッドに連れて行って、ベッドで本を読んでいると、玄関の方から

Ho! Ho! Ho!


といかにもサンタっぽい声が聞こえてきた。その瞬間、蘭のママが慌てた様子でベッドルームに

「今、サンタがプレゼントを置いて行ったよ!!!」と入ってきた。蘭が慌てて起きあがって玄関に向かうが、サンタはもう行ってしまっていた・・・。

とちょっとした茶番劇の後、プレゼントの開封が始まるのだ。子供達が寝ている間にサンタが来てくれる日本やアメリカの方が、親はちょっと楽というか、サンタの正体が明かされるリスクは少ないと思う。蘭が8歳の時はクリスマスは山口の実家にいたので、私たちが就寝した後、両親の協力で玄関のクリスマスツリーにプレゼントを置いてもらった。それでさえ、プレゼントを倉庫に隠したり、タイミングを両親と話し合ったりなかなかの工夫がいる出来事だったのに、ヨーロッパの親たちは、より細やかな戦略を練らなくてはいけないから大変だろう。

ポーはこれから少しずつクリスマスを理解するようになる。我が家はやっぱり日本式にしたいな。

ちなみに今年のクリスマスイブも、去年と同様に蘭のママのうちで穏やかに過ごした。ディナーの後、プレゼントを一つ一つ開けた。蘭からの秘密のプレゼントは手作りのクッションだった。とても特別だ。蘭もポーもそれぞれのプレゼントを気に入ったようで安心した。

来年も健康でよい一年になりますように。

2017年12月8日金曜日

青春!

12月に入り、蘭の学校の学期末が近づくに連れ、学校や習い事関連のイベントが色々とあった。目玉の一つは学校のダンスの発表会。

蘭の中学校は公立学校の中でもちょっと特殊でアートを専門にした学校。音楽、美術、文学にとりわけ力を入れている。学校が始まってすぐの課題は、自分のロッカーのデザインを考案することだった。新入生は自分のロッカーを自分のデザインしたものに塗り変えるのがこの学校の伝統なのだ。

そして体育は陸上や球技などはせずにダンスのみ。ジャズダンス、バレエ、タップダンスと色々とある。蘭は発表会ではタップダンスをした。

デビ男はこの日に限ってカリフォルニアで仕事が入っていたので、7時からのショーにポーと二人で見に行った。大勢の親やおじいちゃんおばあちゃんで客席はいっぱいだ。

私も個人的にこのショーをとても楽しみにしていた。いつも練習に励んでいる蘭の晴れ舞台(というほどではないと蘭は言っていたけど)だからというのもあるけど、このダンスの練習を通じて、蘭がこの学校が好きになっていくのを私も強く感じていたからだ。いつかの投稿「🎃トリックオアトリート👻卒業か?!」の中で書いたが、蘭は中学校という新しい土壌に馴染むのにちょっと時間がかかっているようだった。それが最近になって、何人かの特定の友達の話をよくするようになったし、学校に行くのが前より楽しみなようだった。

この学校は、いじめをしないこと、させないこと、マイノリティーの子供(有色人種の子、障害を持った子、性的マイノリティーの子)をサポートすることにとても力を入れていて、蘭はLGBTQ(性的マイノリティー)の問題にとりわけ関心を持っているようだ。

ダンスのクラスでは、練習が始まる時にみんなで円になって、心の中にある言葉を思い思いに叫ぶそう。蘭が言うには、ある日の練習では一人が「ゲイ!」と叫び、みんなが 一斉に歓声をあげ、それを気に「レズビアン!」「トランス!」と次々に性的マイノリティーの人たちのことを誰かが叫んでは皆で歓声をあげて「祝福」したそうだ。「Black Lives Matter!」(「黒人の命も大切だ」というスローガン)と叫んだ子もいたそう。そのクラスにいたマイノリティーの子は、さぞパワーをもらったことだろう。

「そんな話聞いたら涙が出そう。本当に素敵な学校だね。」と言うと

"I know!  I LOVE my school!!"

と答えた蘭。まさしく青春しているという感じで彼女の目はキラキラ輝いていた。

その蘭との会話があったから、発表会で踊る子供たちを見ると、感動せずにはいられなかった。黒人の子、アジア系の子、ラテン系の子、ダンスの振り付けを間違える子、ぽっちゃりした子、障害があってダンスのスピードに追いつけない子、ちょっと自信がなさそうな子、できればダンスなんてしたくないなぁと思ってそうな子、ステージの上のすべての子供たちに、観客席から割れんばかりの拍手喝采が送られた。