2017年12月8日金曜日

青春!

12月に入り、蘭の学校の学期末が近づくに連れ、学校や習い事関連のイベントが色々とあった。目玉の一つは学校のダンスの発表会。

蘭の中学校は公立学校の中でもちょっと特殊でアートを専門にした学校。音楽、美術、文学にとりわけ力を入れている。学校が始まってすぐの課題は、自分のロッカーのデザインを考案することだった。新入生は自分のロッカーを自分のデザインしたものに塗り変えるのがこの学校の伝統なのだ。

そして体育は陸上や球技などはせずにダンスのみ。ジャズダンス、バレエ、タップダンスと色々とある。蘭は発表会ではタップダンスをした。

デビ男はこの日に限ってカリフォルニアで仕事が入っていたので、7時からのショーにポーと二人で見に行った。大勢の親やおじいちゃんおばあちゃんで客席はいっぱいだ。

私も個人的にこのショーをとても楽しみにしていた。いつも練習に励んでいる蘭の晴れ舞台(というほどではないと蘭は言っていたけど)だからというのもあるけど、このダンスの練習を通じて、蘭がこの学校が好きになっていくのを私も強く感じていたからだ。いつかの投稿「🎃トリックオアトリート👻卒業か?!」の中で書いたが、蘭は中学校という新しい土壌に馴染むのにちょっと時間がかかっているようだった。それが最近になって、何人かの特定の友達の話をよくするようになったし、学校に行くのが前より楽しみなようだった。

この学校は、いじめをしないこと、させないこと、マイノリティーの子供(有色人種の子、障害を持った子、性的マイノリティーの子)をサポートすることにとても力を入れていて、蘭はLGBTQ(性的マイノリティー)の問題にとりわけ関心を持っているようだ。

ダンスのクラスでは、練習が始まる時にみんなで円になって、心の中にある言葉を思い思いに叫ぶそう。蘭が言うには、ある日の練習では一人が「ゲイ!」と叫び、みんなが 一斉に歓声をあげ、それを気に「レズビアン!」「トランス!」と次々に性的マイノリティーの人たちのことを誰かが叫んでは皆で歓声をあげて「祝福」したそうだ。「Black Lives Matter!」(「黒人の命も大切だ」というスローガン)と叫んだ子もいたそう。そのクラスにいたマイノリティーの子は、さぞパワーをもらったことだろう。

「そんな話聞いたら涙が出そう。本当に素敵な学校だね。」と言うと

"I know!  I LOVE my school!!"

と答えた蘭。まさしく青春しているという感じで彼女の目はキラキラ輝いていた。

その蘭との会話があったから、発表会で踊る子供たちを見ると、感動せずにはいられなかった。黒人の子、アジア系の子、ラテン系の子、ダンスの振り付けを間違える子、ぽっちゃりした子、障害があってダンスのスピードに追いつけない子、ちょっと自信がなさそうな子、できればダンスなんてしたくないなぁと思ってそうな子、ステージの上のすべての子供たちに、観客席から割れんばかりの拍手喝采が送られた。


2 件のコメント:

Snow さんのコメント...

すてきな学校。自然に蘭ちゃんがここですてきなレディになっていくんだね。マイノリティなわが子を持つ母としては、みんなを受け入れてくれる学校に魅力を感じます☆

RM さんのコメント...

Snowさん

ありがとう。「みんなちがってみんないい」という学校が増えたらいいよね。八島太郎の「からすたろう」という絵本を読んで益々そう思いました。