7人乗りのバンで蘭を学校まで迎えに行くと、他の子供達も「何事か」といった顔で私たちを見ていた。助手席に乗っているミシェルは赤髪のドレッドロックにサングラス、ビートルズが着ていたような赤い制服を纏っていてとにかく目立つ。
ミシェルは蘭とも初対面だが、クレアと蘭は蘭が4歳のときに家族でローロッパを旅したときに一度会っている。7年ぶりの再会でクレアはちょっとウルウルしていた。
さて、蘭がポーの横に座って、いよいよ出発だ。
シアトルまでかなり渋滞が予想されるので、到着は夜の9時くらいになるだろう。
しかもシアトルで、もう一人デビ男の友人をピックアップすることになっている。デンマーク人の青年サム。彼は数ヶ月前にお父さんが他界し、お父さんの遺産を受け継いだので、それを使ってお父さんの親戚を訪ねるのと、ちょっとした冒険を兼ねてアメリカを訪れているらしい。同じくデンマーク人のクレアもサムに会うのを楽しみにしているようだ。
すでにぎゅうぎゅう詰めのバンにもう一人旅人が加わって、スペースはどうなるんだろうと気になったが、特に誰も心配していないようだった😅
バンの中では、ゲスト達には申し訳なかったが、ポーが大好きなMusic TogetherというCDをずっとかけさせてもらった。ポーはとにかくこのMusic Togetherが流れていさえすれば車の中でハッピーでいてくれる。長時間の運転の場合は必ずこのCDを持っていくことにしていて、日本に行った時も持って行った。
ただ、ミュージシャンのミシェルにとってはこの子供向けのCDを3時間も繰り返し聴かされることは拷問に近かったようで、音楽を変えたいと言い始めた。でも案の定、変えるとすぐにポーが泣き始めてしまった。しかたなく元のCDへ戻す。すぐに泣き止んだ。ということで、ミシェルは仕方なくヘッドホンをして他の音楽を聴くことにしたらしい。
途中で何度か休憩して、やっとシアトルに着いた。ダウンタウンのホテルで待っていたサムと無事に合流。彼も当然スーツケースを持っていたので、バンは足が動かせないくらいにすし詰めになってしまった。
サムはとても物静かで、ちょっとオタクっぽい感じの人。クレアとミシェルとは正反対の雰囲気だ。これに更に賑やかな人が加わったらどうしようと私は本気で恐れていたので、サムのような人で本当に安心した。
シアトルからもう30分だけ運転して、エベレットという市のホテルに宿泊。3日ぶりに家族だけの時間とスペースが持てるのは嬉しい。
さて明日いよいよカナダの国境を超える。デビ男はカナダの国境を超える時、移民局の別室に呼ばれて最低一時間は待たされることが定番になっている。私たち家族もずっとその犠牲になっている。デビ男は過去に、カナダの反戦デモで歌って逮捕されたことがあるからだ。
今回はインターナショナルなチンドン屋みたいなグループで国境を超えるので、果たしてどうなるのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿