バンクーバーに到着した前夜から泊まったのは、ホテルというよりは2ベッドルームのアパート。私たち家族と、クレア、ミシェルが同じユニット、サムは自分自身の部屋を予約した。
ナビで目的地に着いた時にとてもモダンで新しい建物があったので、一瞬そこに泊まるのかと思って、蘭と一緒に「わぁ!」と喜んだら、私たちが泊まるのはそのすぐ隣のかなり古〜い建物で「がくっ」。部屋の中は最近補修したのだろう、床や壁は綺麗だった。キッチンもあるので、もし料理をしたければできる。ここに泊まるのはふた晩の予定だ。
この日の朝はあいにくひどい雨。みんなで雨の中を歩いて出かけて、カフェで簡単な朝食を取った。宿泊先にはキッチンがあるし、外食が続いているので、何か食材を買おうという話になったが、スーパーマーケットのようなものは全く見当たらない。
カフェの人に聞くとスーパーマーケットが近くにあるというので向かった。入ってみると、そこはショッピングモールだった。ショッピングモールの中にスーパーマーケットが入っているようだ。そのショッピングモールがやたらデカく、とりあえずポートランドでは見たことのないメガサイズでびっくりした。
やっとモール内のスーパーマーケットにたどり着くと、そのマーケットも相当デカい。デビ男は、私たちが買い物をしている間、ポーとエスカレーターに乗って遊んでいることにした。ポーの中で今、エスカレーターに乗るのがブームなのだ。ミシェルもそのお店に入る気になれないようで、その辺に座って彼女の「宿題」である英語での作詞をするという。
ということで、クレアとサムと蘭と私でお店に入ったのだが、とにかく一旦はぐれたらもう2度と会えないくらいにデカい。クレアがそれぞれ買い物して入り口のところで会おうと提案した。
蘭と色々と見て回ったが、お店のデカさだけでなく、商品一つ一つのサイズもアメリカ顔負けの物が多いことに気がついた。例えばマーガリンはティッシュペーパーの箱くらいの容器で売られている。業務用の人が買うのだろうか。牛乳もそれはそれは種類がたくさんあり、乳製品セクションに牛乳があるというよりは、牛乳セクション、チーズセクション、ヨーグルトセクションと分けられていた。
まさかカナダでアメリカンサイズを凌ぐスーパーマーケットに出会うとは思わなかった。その一方で野菜や果物はあまり新鮮ではなく、オーガニックのセクションはほぼ皆無だった。
結局雰囲気に圧倒されただけで買いたいなぁと思うものが見つからず、私と蘭は入り口へ戻った。サムもそのうちやってきて、「オーガニックのチョコレートがなくて残念」と言っている。彼が住むコペンハーゲンではオーガニックのものが普通に揃うそうだ。ポートランドもそうだ。バンクーバーもポートランドと似ていると思っていたのでちょっと意外だった。
クレアがなかなか戻ってこない。デビ男もミシェルもクレアを見ていないという。デビ男はクレアははぐれても一人で行動できる人だから心配いらないというので、それ以上は待たないことにした。その後しばらくしてからデビ男にクレアからメールが届いた。体調が悪くなってホテルに戻ったそうだ。デンマークにここまでのサイズのショッピングモールはないだろうから、体調が悪くなるのも納得できる。サムも一刻も早く屋外へ脱出したそうで、一人で雨の中を散策しに行った。
アメリカ住まいの私たち家族はこの毒々しく光るショッピングモールへの免疫力が強いのか、もうちょっと長く滞在できそうだ😅
というのも今日は蘭が観光ではなくショッピングをしたいと言ったので、デビ男のコンサートの時間まではここで買い物をすることにしたのだ。
モール内をうろうろしたが、アメリカでも見かけるお店が多い。人出もすごく多く、モール内を一周するだけでも1時間はかかってしまった。そのうちお腹が空いたので、ランチ。蘭はForever 21というお店が見たいという。ポートランドにも数件ある、若者向けのショップだ。もうすぐ12歳の蘭、もう子供服のお店は卒業ってことか。しかも自分のお小遣いで服を買いたいというので、蘭が持っていたUSドルと、デビ男が持っていたカナダドルとを交換。
ミシェルはランチ後ホテルに戻っていき、デビ男と私は蘭が店内を見ている間、交代でポーと遊んでいた。ちょうどお店の前にエスカーレーターがあったのでそこを登っては降り、登っては降り。30往復くらいはしたのではないだろうか。
1時間経っても、まだ蘭は出てこない。そのうち、デビ男がコンーサート会場に行く時間が近づいてきたので、私は店内に蘭を探しに行った。
店内もかなり広くしかも1階と2階がある。試着室に行くと蘭がいた。何着か試着しているようだ。お店の外で待っているから買ったらすぐ出てくるように伝えた後、私はお店を出ようとした。そのとき、とってもかわいいスウェットシャツに目が行った。いつもの私なら買い物にすっごく時間がかかり、お店で2時間吟味したのに結局何も買わず家族から失笑されることもあるのだが、今日は違った。このスウェットシャツにビビッときた。お店の人に聞いたらこの色はサイズはLサイズ一枚しか残っていないという。黄色だとMがあると言われたが、グレーの方がよかったのでお買い上げ!日頃、頑張っている自分にご褒美😁
とにかく決めるのが早かった自分に驚いた。迷う時間がないときの方が決断力が増してよいのかも。
やっと蘭がお店から出てきた。
あれ?手ぶら???もしかして何も買わなかったの?!
「欲しいものがなかった。」
マジかー!!!いつもの私と同じパターンだ。デビ男もちょっと呆れ顔。私に「誰の影響だろう?」とニヤニヤしながら耳打ちした 。
ホテルに帰ってから例のスウェットシャツを着てみると、Lなのに全然普通にぴったり😅蘭も試しに着てみたが、当然ぶっかぶか。
「私もこういうのが欲しかったなぁ。」
と蘭がぶつぶつ言っている。
「じゃ、明日また行ってみる?グレーはもうないけど黄色だったらMサイズがあるとお店の人が言っていたよ。」
蘭は黄色でもいいというから、翌日また例のド派手ショッピングモールに戻ることになった。お年頃の蘭ちゃんのためだ、仕方ない。
小柄の蘭にはMサイズでも大き過ぎるだろうなぁ・・・と少し気になりながらその夜は眠りについたのだった。
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